指導者(コーチ)の役割とモラル/地域での役割

(出典元:https://www.jfa.jp/coach/official/role.html)

【指導者(コーチ)の役割】

近年、社会構造や社会状況が年々変化し、指導者(コーチ)には多くの役割が求められるようになってきました。
そうした中で、指導者にとって最も大切な役割は何でしょうか。それは一生懸命プレーする選手や子どもたちが
楽しくプレーできるようにサポートすることです。楽しくプレーすることは、上達にもつながりますし、困難を
乗り越えることにもつながります。一生楽しくプレーを続けることができれば、人生を豊かにすることにもつな
がります。そうしたサポートをするためにも、指導者自身が指導を楽しむことも大切です。
楽しみながら生涯にわたって指導を続け、全ての選手や子どもたちが笑顔でプレーできる環境づくりを行うこと
が、指導者の最も大切な役割です。

 

【地域での役割】

指導者は、選手や子どもたちに夢を与え、地域の人々を幸せにする存在です。選手や子どもたちの笑顔は、地域に
も活気や精神的な豊かさをもたらします。
また、どんな有名な選手にもキャリアのスタートがあり、そのほとんどが小さな町の小さなクラブやチームから始ま
ります。思わぬ選手が日本代表選手やプロ選手に育ちます。
その意味でも、地域の指導者の役割は非常に重要です。全ての指導者が自分たちの指導に自信と誇りを持っていただ
きたいと思います。

【指導者のモラル】

スポーツの世界に限らず、社会全体のさまざまな場面で、人々のモラルが問われている時代です。
・誰も見ていないから良い、
・分からなければ良い、
これらの行為は許されません。
・ゲームやトレーニングでも「自分の感情を爆発させるだけの指導はもはや許されない時代」です。

指導者にもさまざまなタイプが存在します。
・選手のやる気を高めるコーチ
・ピッチ上で論理立てて指導するコーチ
・実技力が高くプレーで見せるコーチ
・熱血漢溢れるコーチ
・戦術の知識が豊富で理詰めで指導するコーチ
・オーガナイズ(プランニング)の巧みなコーチなどがいます。しかし、全ての指導者に情熱と論理性は欠かせません。

サッカーを愛する気持ち、選手が上達してほしいという気持ち、チームを勝たせたいという気持ちは、どの指導者にも
必要です。しかしその一方で、その思いが強くなり過ぎて選手に過度な要求をし、論理性に欠ける指導に走ってしまうこ
とがあるのも事実です。もう一度冷静になり、自らの指導を振り返る必要があるかもしれません。

【リスペクト・フェアプレー】

Japan’s Wayにもある「フェアで強い日本を」をさらに目指しましょう。常にプレーに集中し、最後までプレーを続ける
意思を持ち、フェアでたくましいプレーをすること、最後まで全力でプレーすること、相手に敬意を払うこと、けがをし
た相手がいれば助けること、審判員を尊重すること、ホイッスルが鳴るまで自分で勝手にプレーをやめないこと、判定に
従い、すぐに次のプレーに移ることなどが大事です。

指導者には、
・選手を落ち着かせて励まし、
・プレーに集中させることが求められます。

応援においても、
・相手や審判員に敬意を払い、相手をののしるようなことを言わないこと、
・自分のチームも相手のチームも良いプレーには拍手すること、
・審判員に感謝することなどが必要です。

そして、みんなでポジティブな気持ちの良いゲームをつくります。持てる力で真剣に競い合うことがフェアプレーの本質
です。フェアなチームというのは、決してイエローカードやレッドカードが少ないチームのことではありません。
やってはいけないことを警告するのではなく、良かったことを褒め、感謝する気持ちを育みたいのです。

フェアでたくましい日本サッカーはまだまだ磨きをかけなければなりません。日頃から指導者が選手に対して、ピッチ上の
人、それを支え、取り巻く全ての人や物を「大切に思うこと」を、さらに育んでいかなければなりません。
最後まで全力を尽くし、ひたむきに、フェアでたくましいサッカーを目指すことができれば、それは選手だけでなく、そこ
に関わる全ての人々にとって最高のゲームとなります。
良い対戦相手と審判員、ゲームを運営する方々、そして保護者やサポーターがあってこそ、よりすばらしいゲームとなるの
です。

【コーチ(Coach)の語源】

コーチ(Coach)という言葉の語源は、ハンガリーのコチ(Kocs)という地名が由来です。コチで生産される馬車
は非常に高性能で、搭乗者を安全・快適に目的地まで運んでくれるということで、ヨーロッパ各地に広まりました。
19世紀頃からヨーロッパ各地で馬車を指す意味として、コチという言葉が使われるようになりました。
その後、イギリスのオックスフォード大学の学生の家庭教師に対して、学習者を目標まで導いてくれるということ
で使われ始め、コチからコーチ(Coach)という言葉に変化し、スポーツ指導者にも用いられるようになりました。
語源からくるコーチ(Coach)は、学習者やスポーツ選手を馬車のように下から支え、安全・快適に目標達成の手助
けをしてくれる人を指します。その意味では、指導者(コーチ)は常に選手や子どもたちのことを支え、上達の手助
けになる存在でなければなりません。
上から目線で怒鳴り散らし、理不尽なことを要求することは、本来の意味からかけ離れています。

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