2019年2月3日(日)、第2回OFAメディカルカンファレンスを開催いたしました。
今回の全体テーマは、「パフォーマンスから考えるサッカー医学」であり、総参加者数は267人と、沢山の方にご参加いただきました。講演は、特別講演、医学講演、パネルディスカッションの3部制でした。
①特別講演:中西哲生氏(スポーツジャーナリスト)「選手のパフォーマンスを最大化する」
ご自身が活動されているサッカー選手のパーソナルトレーニングを基にお話を頂きました。選手が成長するために大切なことについて、スポーツジャーナリストとして多くの選手を取材される中で感じたことや、中西氏がご自身の経験やサッカー以外のことから得られた知見についての内容でした。我々メディカルの立場として選手と関わるうえで非常に学びのある講演でした。
②医学講演:堀部秀二先生(大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科教授)「サッカー選手の膝外傷・障害治療の課題」
サッカー選手に多い前十字靭帯(以下ACL)損傷、半月板損傷、軟骨損傷(以下OCD)について自験例を元に治療と現行の課題点をご講演頂きました。ACL損傷では手術を必要とし、良好な成績が報告されていますが、①移植腱が必要であること、②解剖学的な再建でも正常ACLとの形態・微細構造の乖離などの問題点があります。また半月板・OCDでは保存療法でも長期成績が良好な例も多いため、治療方針について、医師・患者・家族・トレーナーなどの関係者を含めてよく話し合い、理解しあって治療方針を決定することの重要性についてお話いただきました。
③パネルディスカッション:杉本武先生(整形外科河村医院 医師)、秋吉直樹先生(あゆみの中央病院、JEF千葉理学療法士、保険医療学博士)、高橋宏治氏(一般社団法人 大阪府サッカー協会技術委員会副委員長)「肉離れ再考」
肉離れは再発予防が重要ですが、現場では完治していない中プレーをすることで再発する場面があります。エコーやMRI、機能評価より筋・腱、どの部分で断裂しているか医師の適切な診察と、理学療法士による早期のリハビリ介入、股関節・膝関節の使い方や体幹の機能を高められるような動作訓練を行い再発予防が重要であります。肉離れなど怪我を負ってしまった際に、プレーをやめて休む必要性の理解やその期間、もし無理をして続けた場合のデメリットを選手にしっかり伝え、メディカル・指導者・選手がそれぞれ情報共有して三者でゴール設定し、次の段階を決めていくことが一番重要であるとお話いただきました。